新しい生活スタイル(コロナ感染の中)




New Life Style


新型コロナ感染による長いホームステイ生活で、これまでの生活スタイルをいろいろ工夫して
変えられたり、新しいものにチャレンジなさっておられる方が結構いらっしゃるのではないかとの思いから「New Life Style」を投稿し皆さんに紹介して頂く事で、共有できるところは共有するようにして頂ければとの思いからこのコーナーを設けました。

現在コロナ感染は収束していませんが、少しずつ日常が戻りつつあります。
今月号をもちましてこのコーナーを終了させていただきます。

投稿頂いた方々、お読みになって頂いた皆様 有難うございました。



投稿(46) : 今市 重道(2023年11月26日)


最終投稿に思うこと

「New Life Style」コーナー投稿の最終回。振り返ると、これまで足掛け三年、私の日常の生活の中での「挑戦」や「驚き」を題材にして、27回の投稿を続けてきました。題材を頭の中で整理し、時には資料を調べ、文章を練り直すプロセスを続けることが、私の劣化しがちな思考力の活性化に役だった、と感じています。投稿記事の一つひとつは、うつろうこともなく私の記憶に残り、思いかえすことができます。

例えば、今年6月のHPに投稿した「香りの思い出-油槽所のバラ」は、ゴールデンウィークに横浜の「港の見える丘公園」を訪ねたときの、漂うバラの香りから連想した思い出を題材にしたものだ。その公園を訪ねた日、記事では触れませんでしたが、驚きの光景が港にありました。公園から海沿いを「横浜レンガ倉庫」に向かって歩くと、途中に「象の鼻パーク」があります。その岸壁に立つて、なにげなく向かいの「大桟橋」を見ると、白い大型客船が停泊していた。その巨体には、「DIAMOND PRINCESS」の文字があるではありませんか。四年前の2020年2月に、我々に新型コロナウイルス感染の衝撃を与えたクルーズ船だ。だから、目の前にその船がゆったりとしている光景には、驚かされた(写真ー1、2) 。2月19日には、クルーズ船乗客が下船し、公共交通機関を使って帰宅した。ちょうどその日、モービルの先輩と同輩とのMSK時代を話題の中心とする愉快な「会食会」が小田原であった(写真ー3、4)。「会食会」が、クルーズ船乗客の下船のタイミングと重なり、「大丈夫かな〜」と気になったことを覚えている。そして、今年のゴールデンウイーク、「DIAMOND PRINCESS」が穏やかに横浜の港の風景に溶け込んでいる姿を見ると、「New Life Style」コーナーの終幕が近づいてきたことを感じさせた。



27回の私の投稿を支えてくださった、HP編集ご担当の福田さんと堀内さんには、とても感謝しています、ありがとうございました。さらに、私が投稿を継続できたドライビングフォースは、尊敬する先輩の方々からいただいた過分な言葉ですー「投稿記事はMobil OBにとって貴兄の鋭い観察眼と優れた記憶力による、読んで楽しい随筆です」、「毎回、はばひろい興味深いテーマで、文章も上手く感心させられる」などと。一方、二人の先輩から「文章が長すぎる」とのお叱りを受けましたが、ありがたく思いました。

最終回の投稿にあたり、K先輩からの要望にお応えしたいと思います。昨年3月の投稿記事「ペガサス•サインの有る風景」で、家族のウオーキングルートで見つけた、 ペガサスサインを入口に飾った「山小屋風の居酒屋」について紹介しました(写真ー5)。この記事について、 「“山小屋風居酒屋訪問記"を店主がMobilgasのペガサス・サインを手に入れた経緯などを含めて投稿されるのを楽しみにしております」との要望をいただいていました。 我が家からはチョット遠回りになりますが、昨冬、新橋での友人との会食後の23:00ごろに、この居酒屋をはじめて尋ねました。 入口のペガサス・サインの上部には「Coor’s」の青白いネオンが点灯し、日中とは異なる雰囲気(写真ー6)。階段をのぼって二階にある店内に入るとき、 「きっと、モービル・サインが飾られている」と期待していたが、ウイスキーなどの酒瓶棚の上の壁にあったのは、 「TEXACO」のサイン(写真ー7)。店内には若い店長さんが一人。カウンターに座ると、左側にあるガラス壁越しに一階のガレージが見えた。 白い車体のChevrolet Corvette のスポーツカーとHarley-Davidsonがあった。 若い店長さんに、生ビールとソーセージを頼みながら、入口のペガサス・サインについて尋ねた。 「古いアメリカらしい雰囲気を出すために、インターネット販売で購入した」、との答えだった。また、スポーツカーは店のオーナーである、店長さんの父親の趣味だそうで、「アメ車マガジン」にも掲載されたと話してくれた。しかし、とくにモービルやペガサス・サインへのシンパシーがある訳ではないようだ。時間も遅いので30分ほどで店を出た。これが、K先輩の要望に答える“山小屋風居酒屋訪問始末記"となります。


「New Life Style」への投稿の機会を与えていただき、ありがとうございました。この最終の原稿をメールするとき、送付マークを感謝の思いでタップするでしょう。 もし、私の投稿記事を読まれた方と、総会や品川の親睦会などでお会いした際には、声をかけいただき投稿記事へのコメントをいただけると嬉しく思います。

今市重道

(添付写真-1) : “Diamond Princess"
(添付写真-2) : “Diamond Princessの文字"
(添付写真-3) : “小田原での会食会-1"
(添付写真-4) : “小田原での会食会-2"
(添付写真-5) : “ 山小屋風居酒屋のペガサス・サイン"
(添付写真-6) : “ 山小屋風居酒屋の夜のネオン"
(添付写真-7) : “ 山小屋風居酒屋のTexacoサイン"

以上





投稿(45) : 岡本 一男(2023年11月9日)


長いホームステイ パートXX

長いホームステイから解放

長いホームステイから解放されました! しかし今度は「インフルエンザの流行」が心配ですね! コロナが収まったようですので、長いホームステイ生活での「 New Life Style 」はファイナル版となります。

1: 家庭菜園に取り組む: 10月、11月の作業

家庭菜園の主役は「緑のカーテン」ですがそろそろ今年も役目を終える時期が近づきつつあります。 今年はラッキーなことに台風に直撃されることがありませんでした。 しかし、猛暑の為か緑のカーテンのゴーヤ収穫が少なめでした。 近所のゴーヤ好きの皆様及び通っているゴルフ練習場の皆様にもお裾分けけして喜んで貰えました。
写真① 緑のカーテン
猛暑日に暑さを遮ってくれた「緑のカーテン」は外側も彼岸が過ぎると黄色い葉が目立ち始めました。 隙間ができる時期が近づいていますが、残暑を跳ね除けるよう頑張ってくれています。 「ゴーヤさん今年もありがとう!」です。
写真② 今年最後の収穫ゴーヤ
今年は10月に入ってもまだゴーヤを収穫できました。 小ぶりになりましたが沖縄アバシゴーヤは美味しかったです。
写真③ ゴーヤの天ぷらと冷えたビール
 ゴーヤの料理方法はいろいろありますが、 ゴーヤ大好きなお隣さんから教えてもらった 「朝採りゴーヤにシソの葉を挟んだ天ぷら」 がとても美味しいです。 これをつまみにビールを飲むと最高です! 来年、ゴーヤの季節になったらぜひお試しください!
写真④ 緑のカーテン撤去
緑のカーテンは役目を終え全て撤去し更地の花壇になりました。 さらさら土は猫が大好きですので夜間の侵入を防ぐため支柱を使い猫除けバリアを作ろうとおもいます。 これから寒くなり霜が降る時期には寒起こしと天地返しをし土作りの準備の第一歩に入ります。



2:映画館で映画を見る♪: ☆ Gran Turismo (グランツーリスモ)

最近上映された「グランツーリスモ」を見ました。 1997年に PlayStation 用のゲームソフトとして誕生、その後の人気ドライビングゲーム「グランツーリスモ」から生まれた実話を映画化した作品です。 主人公のヤンは、ゲームに夢中の若者です。 ある日、グランツーリスモプレイヤーを本物のレースに出場するプロレーサーとして育成するプログラム「GTアカデミー」に参加するチャンスをつかみます。 ヤンは、厳しい選抜試験を突破し、GTアカデミーの一員となります。 アカデミーのトレーニングは過酷でしたが、ヤンは持前の努力でそれらを乗り越えていきます。 そして、ヤンはついに、本物のレーサーとしてレースに出場するチャンスをつかみます。 ゲームに夢中な少年が、プロレーサーになるという夢を叶えるまでの成長を描いた感動物語です。 レース中の轟音が胸に響き凄かったです! やはり映画館で見ると感動が違いますね!
写真① 選抜試験
映画の基になったのは、2008年に発足した日本発のプログラム”GTアカデミー”です。 これは日産、プレイステーション、ポリフォニーデジタル(ソニー系の会社)によって実際に行われたドライバー発掘・育成プログラムです。 世界中から選抜された「グランツーリスモ」のトッププレイヤーに、本物のプロのレースドライバーになるチャンスが与えられました。 「グランツーリスモ」は、ゲーム機と言ってもこれは日本の技術の粋を結集したドライビングシミュレータですね! この映画を見るまでは「グランツーリスモ」や「GTアカデミー」を知りませんでした。
写真② レーサー育成
予選を通過したプレイヤーは、イギリスのシルバーストーン・サーキットで開催される最終選考に進みます。 最終選考では本物のサーキットを走行し、プロドライバーとしての適正を評価されます。 因みに、映画「グランツーリスモ」主人公ヤン役のアーチ・マデクウィが乗るレーシングカーは、序盤から中盤にかけては「NISSAN GT-R NISMO GT3」です。 終盤にかけては「リジェJS-PS」に乗りました。
写真③ キャスト
●ヤン・マーテンボロー役、Archie Madekwe  ●ヤンのトレーナーになるジャック・ソルタ~役、David Harbour  ●日産のマーケッティング担当役員 ダニー役、Orlando Bloom ヤン役のアーチ・マデクウェさんによると常にレーシングカーの中におり時速320Kmのスピードで走っていたそうです。 もの凄いG"も体験したそうです。 グリーンバックで撮ったものは一切なかったそうです。 「車好きにはたまらないはずですよ!」とのコメントでした。
写真④ 本物のJann Mardenborough(ヤン・マーテンボロー)
この映画のモデルとなったヤン・マーテンボロー氏は1991年9月9日生まれ、現在32歳のイギリスのレーシングドライバーです。 マーデンボロー氏は2016年から日本のシリーズに参戦を開始し、日本のモータースポーツ界で欠かせない存在として活躍していたそうです。



3: ???(ハテナ):生成AIのメリットとデメリットは何だろう 

生成AIが大きな注目を集めはや1年になります。 生成AIで主なものは"Chat GPT(Open AI)", ”Bing(Microsoft)”、"Bard(Google)"等がありますが生成AIのメリットとデメリットを探って見たいとおもいます。
今までのところ、NHKでは生成AIのリスクについての特集番組が多いようです。 
例えば、
☆1
「グローバルアジェンダ 
生成AIのリスク ⁉ ~第一人者たちが本音で語る~(BS1 2023/9/2(土)) 」、 
☆2「ディープフェイクの衝撃~生成系AIの光と影~(BS1 2023/10/3(火))」等です。
ゴールドマンサックスのレポートによりますと、オフィス事務職の46%、法務に関わる職の44%、財務に関わる職の35%に影響ありと、ホワイトカラーの仕事の大部分がAIに奪われるリスクが高いとしています。
一方、生成AIは新しい仕事も生み出しています。 その一つが「プロジェクト・エンジニア」です。 言葉を使ってAIから最適な答えを導きだす専門家です。 需要はうなぎ上りで何と年収28万ドル(約4千万円)以上を提示する求人もあるようです。

生成AI導入の際の一般的に言われているメリットとデメリットは次のようなことのようです。

<メリット>
○ 業務効率化
○ 新しいアイデアやコンテンツの創出
○ 顧客満足度の向上
○ 新たなビジネスの創出

<デメリット>
△ 品質の低下
△ 誤った情報の生成
△ セキュリティリスクの増加
△ 人材不足

生成AIに関することで「ハルシネーション」という言葉があります。 これは「息をするように嘘つ」という意味だそうです。 生成は何かを問われれば、何かしらの回答をしようとします。学習データーが足りないと、手持ちのデーターの中から が推測して回答するしかないようです。そこで信頼できる回答にならないことがあるようです。まだ日が浅い生成Alですが、これから欠点を修正進化していくものとおもいます。
写真① 生成AIについて
「生成」とは、人の指示にもとづき文章や画像を自動で生成する人口知能です。ボストン・コンサルティング・グループは生成の市場規模が2027年に世界で17兆円の達する可能性があると予測しています。 一般公開を始めた生成及びがあります。各々の特徴と得意、不得意分野も探ってみました。
写真② "CHAT GPT" Open AIが開発した生成AI
<特徴>ユーザーとの会話を重視しています。ユーザーの質問に答えたり、ユーザーの指示に従ってタスクを実行したりできます。
<得意分野>文章やコードの生成、翻訳、創作
<不得意分野>最新の情報に弱い、単純な質問に答えられないことがあります。
写真③ Bing Microsoftが開発した生成A1
<特徴>検索エンジンとしての機能を重視しています。インターネット上の膨大な量の情報を検索し、ユーザーの質問に答えることができます
<得意分野>検索結果に基づく回答、多様な回答
<不得意分野> 質問の意図を読み取れないことがあります。 偏った回答をすることもあります。
写真④ Bingが開発した生成 AI
<特徴>Google検索と連携しています。質問した回答に納得いかないときは「 で検索」というリンクをクリックすることで検索エンジンも利用できます。
<得意分野>検索結果に基づく回答、創造的な回答、多様な回答 Bardは 「 回答案1,回答案2,回答案3 」と 3つの答えがかえってきます。 その中から自分が求めていた答えが見つかるでしょう!
<不得意分野> 質問の意図を読み取れないことがあります。又、偏った回答をすることがあります。
生成AIで注意すべき点は「どんなときにリスクが生じるのか」、 「それを避けるためにはどうしたらいいのか」を理解したうえで使うことが大切なようです。  個人の生成 l利用方法としては、知りたいとを整理して質問するときちっとした答が戻ってくるのが生成AIの優れたところだとおもいます。



4. コロナ禍での>New Life Styleの総集編

何といってもコロナ禍での自粛期間中、私にとっての大きな出来事はM友会ホームページへの投稿です。 書くことが得意でない者が投稿させて頂くのはおこがましいのですが。。。 しかも ExcelからWordに変換して送らせていただき文字組みや校正等で大変だったと思います。 お世話になりありがとうございました。 コロナ禍でお家時間がたっぷりありその間のを振り返って見たいとおもいます。
<Stage 1: まん延防止等重点措置全国に適用~>
①家庭菜園
長いホームステイ期間に緑のカーテン及び家庭菜園作りを楽しみました。 家庭菜園では小規模でも「農業」で「脳業」ともいわれています。 自然を相手に変化のある作業で前頭葉を刺激、ボケ防止に」役立つようです。 何といっても、緑のカーテンは省エネにも活躍してくれ今後も続けたいとおもいます。
②TVを見る
モービル退職後、沖縄で仕事をする機会がありました。 沖縄料理と泡盛を味わったり、休日には琉球王朝時代のグスク(城)巡りをしたりと貴重な体験をしました。  ステイホーム期間中はどういうわけか沖縄関連の 番組が沢山ありました。懐かしいおもいでそれらの番組をみました。
③ピアノを習う
音譜も読めない高齢おっさんがやるべきではなかったかもしれませんがピアノを始めました。 先生の熱心な指導のおかげでバイエル106番まで終了しました。 発表会にも参加しましたが指が思うように動かず挫折続きでした。 脳科学者 中野信子さんは「音楽は副作用のない薬である」と言っていますので下手なピアノも続けたいとおもいます。
④???(ハテナ)
何しろ時間がたっぷりあるので「気になる ???(ハテナ)事項」も探ってみました。 ☆ 英国王室の祖先はセーヌ沿岸を荒らしまくったヴァイキング? 本当かな? ☆ 生成AIて何だろう? ☆生成AIのメリットとデメリットは何だろう? Stage 2:感染症法上の位置づけ5類に移行~
⑤ゴルフ再開
コロナ禍の期間中、3年間もコースに行くのを控えていました。 今年に入りコースでのプレイを再開しました。 コロナ前のスコアーにはなかなか戻れそうもありませんがゴルフてこんな楽しいものだと気づかせてくれました。 少しづつですが身体も鍛えていきたいと思います
⑥映画館で映画を見る
やりたいことのリストには「映画館で映画を見る」があります。映画館では家で見るTV映画や と違い圧倒的な音響、映像美で映画を楽しめます。「アラビアのロレンス」の完全版を映画館で見ました。第一次世界大戦でのアラビアでのイギリス軍将校としてのロレンスの活躍が描かれた素晴らしい作品でした。 映画館でこれから見たい新しい映画があります。 12月1日金 公開予定の「ナポレオン」です。 この映画は、ナポレオンの人生を、壮大なスケールで描いた歴史スペクタクルです。 ナポレオンを演じるホアキン・フェニックスの熱演も見どころのようです。  久しぶりのスケールが大きい作品が楽しみです。 私のは以上です。 新型コロナウイルスの位置づけが季節性インフルエンザと同じ「類」に変わったことで世の中はコロナ前の日常生活に戻ったようです。  高齢者医療に携わる精神科医で著述家の和田秀樹先生から「したいことリスト作成と実行」で高齢者は心身ともに元気になるとのアドバイスがあります。  コロナが収まり行動範囲が広がりましたのでやりたいことの幅も広げていきたいと思います。 これからも、M友会の皆様とさまざまなイベントでお会いできることを楽しみにしています。 来年も皆様にとって素晴らしい年でありますようお祈り申し上げます。



岡本一男






投稿(45) : 今市 重道(2023年10月28日)


遥かなる和歌山工場への思い


昨年5月のHPに、「メモリー」と題する小文を投稿した。その一節で東燃和歌山工場勤務時代を懐かしく思い起こしたー「モービル石油広報部編集の『ONLY YESTERDAY 1893-1993 (‘93年5月発行) 』初読のとき、『石油化学がつくる風景』の項目にある東燃和歌山工場を見下すみかん山からの工場全景(写真-1)が、いい眺めだと感じたことを覚えている。不思議なもので、それから十年後に和歌山工場に環境安全部長として赴任した。どこまでも続く青い紀伊水道と青い空を背景に工場全景を望むみかん山は、休日のウオーキングでよく行った。 この本は、私の和歌山の思い出の風景も保存している」

1年8ヶ月の和歌山工場勤務は単身赴任。夜になると目の前に赤々と燃えている工場のフレア(注-1)が見える管理職者用の「松が丘寮」で暮らした。月ごとに帰宅し和歌山に戻るルートは、新横浜から「新幹線」、 新大阪で「特急くろしお」に乗りかえて和歌山工場最寄りの特急停車駅の紀勢本線箕島駅に向かう、およそ6時間の旅。「特急くろしお」が和歌山駅を出てやがて海南駅を過ぎると、進行方向右手に和歌浦湾の青い海と青い空、 左手に青い山々が列車の窓のむこうに広がっている。その景色に迎えられるとき、“空青し、山青し、海青し・・"と詩人佐藤春夫が故郷の和歌山を遠く離れた東京で懐かしく歌い上げた、 「望郷五月歌」の一節を思い浮かべていた。

モービル人生30年の中で和歌山勤務はわずか1年8ヶ月ですが、和歌山は私の人生を豊かにしてくれた、言ってみれば「第二の故郷」のように思っている。 和歌山工場のあとに川崎工場に4年勤務しましたが、工場の人や地元の人とのコミュニケーションの波長は、私には和歌山の方が遥かによく合いました。品川の親睦会でお会いするとM大先輩が、 “君は東京工業支店では、大人しく、あまり喋らず静かにしている印象だった。いまは、自信に溢れ、よく話すようになった。ずいぶん変わった”と仰るが、モービルの中で、 私は人づきあいが下手だったのかもしれません。和歌山勤務のとき、妻が“和歌山の人に好かれてよかったね”と言ってくれたが、うれしかった。和歌山で一皮むけて、生身の自分をさらけ出す自信などが、 多少強くなったのかもしれません。

私にとって、忘れがたい「遥かなる和歌山」。しかし、和歌山工場(いまはエネオス和歌山製油所)が、今月10月16日に1939年から84年間続いた石油精製を終えました。11月1日からはエネオス和歌山製造所となります。 かってよく歩いた、みかん山から見る工場全景は、設備は変わりませんが、今はひっそりとしているようだ(写真-2、3)。とても残念な気持ちです。和歌山県と有田市は経済的な痛手を受けますが、石油業界の将来像を考えると、 やむをえない現実なのかもしれません。


近いうちに和歌山を訪ね、お世話になった人たちと酒を酌み交わし、“空青し、山青し、海青し・・"の紀州の暖かく美しい豊かな自然をもう一度、目に焼きつけておきたいと願っている。いま、我が家にいても和歌山を身近に感じることがあります。食卓の脇に置いてある、よく通った箕島駅近くの居酒屋からもらった名前入りの陶器の焼酎ボトル(写真- 4)。ボトルの名前を確認して焼酎を味わうと心が落ち着きます。毎年12月には、元モービル代理店主の地元消防団長さんが「有田みかん」を送ってくださるのです。そして、川崎に異動するとき、和歌山工場の人が贈ってくれた寄せ書き(写真- 5)が本棚に置いてあります。


このごろは、朝晩の気温差が10度を超えるようになってきた。かけ足で秋が深まっていると感じる。先週の土曜日、月に一度の骨董市に出かけた。 陶器類や家具類などがあふれる骨董市で、偶然に佐藤春夫の第一詩集「殉情詩集(写真-6)」を見つけた。復刻版、アンカット製本で保存状態も良く、 しかも300円で手に入れることができたので満足している。 和歌山生まれの詩人佐藤春夫の詩をよく思い出していることが、 「殉情詩集」に導いてくれたのかもしれない。また和歌山に繋がる新たな品物を手に入れた。

いま、あらためて和歌山で交流していただいた心優しい人たちと和歌山の豊かな自然に、心からありがとうございましたと言いたいのです。


今市重道

(添付写真-1) : “(30年前の)和歌山工場の全景"
(添付写真-2) : “現在の和歌山工場の全景"
(添付写真-3) : “工場正門からの「みかん山」"
(添付写真-4) : “焼酎の陶器ボトル"
(添付写真-5) : “ 寄せ書き"
(添付写真-6) : 『殉情詩集』

(注-1): フレア・スタックとは、石油精製プラントなどの高圧ガス製造設備で異常事態などが発生した場合に、設備内の可燃性ガスなどを系外に安全に移送し、燃焼し無害化して、高所から大気に放出するための安全設備。フレアの先端には、LPGを燃やした種火が常に燃えている。 


以上





投稿(44) : 今市 重道(2023年9月22日)


驚き、植物の生命力


ある『やまとことば』の本によると、「なつ」の語源は、何かが熱いことや暑いこと表す言葉「あつ」に由来するという(注-1)。”夏がすぎて、秋めいた・・・"と、いつもの年なら、季節のうつろいを感じさせる時期だというのに、今年の夏はこの「あつ」がなかなか冷めてくれない。「敬老の日」も炎暑、娘家族が孫たちを連れて、久しぶりに遊びに来た。部屋は、孫たちの遊びスペースを含めてエアコンをきかした。食事のあとは、トランプ遊びや下の孫の紙細工のプラネタリウム作りの手伝いなどを楽しんで、にぎやかな半日が過ぎた。娘家族の車を見送ると、吹く風がやっと秋の気配を感じさせる時間になっていた。


孫たちが帰ってから小庭で花壇の一角を見ると、5cmほどの背たけの苗が無数に生え、中には種の殻を頭にまとっている(写真- 1)。春、この場所には一面に、「レースフラワー」が咲いていた(写真-2)。白い小さな花が四、五個あつまった塊が十個ほど傘状に寄り添い、白いレースを拡げたようだったが、やがて、花がこげ茶色に枯れはじめる。次の年に備えて、触るとチクチクするトゲで守られた種(写真-3)を袋に集めたが、落ちたこぼれ種が夏の猛暑に耐えて発芽したのだ。まわりに水を撒く以外は、特に面倒を見たわけではないが、毎年、たくましい復活力を感じさせる。来春には、また一面が白いレースで覆われるでしょう。



今年は、小庭で植物の生命力の凄さを感じさせる、新たな発見があった。わが家では、風呂によく薬草剤を入れるが、薬草が発する心地よい香りにつつまれると、ちょっとした温泉気分が味わえます。使った薬草剤の袋を乾燥させて、中身の薬用植物の種などを、小庭のすみのコンポスト用の素焼き壷のまわりやバラの花壇に、肥料効果を少し期待して撒いておいた。薬草剤を撒いたことを忘れたころ、見たことがない細い糸状の葉を持つ無数の苗が芽吹き、なんと頭に3〜4mmの長さの小さなラグビーボールのような種の殻をのせていた。この芽吹いた植物は、種の形から薬草剤の箱に描かれている「ウイキョウ(別名フェンネル)」だと分かった。薬草剤には5種類の薬用植物の種が含まれているが、「ウイキョウ」だけが発芽したのです。芽生えた苗のほとんどは、小庭の手入れのときに抜いてしまったが、残った10本ほどは背丈が1mほどに成長し、いま小さな黄色の花が咲いている(写真-4)。風呂の中で40Cの湯に浸かっても、芽吹く生命力を保っていることには驚きます。「ウイキョウ」はヨーロッパ地中海沿岸地方の原産で,日本には明治初期に渡来、薬効は健胃、鎮痛作用(注-2)。「ウイキョウ」の花は、派手さはありませんが、力強い生命力を秘めた、なんとなく気持ちを落ち着かせる魅力があると感じるのです。



植物の生命力の凄さは、室内でも見ることができます。昨年の11月のHPに、鮮やかな朱色の小さな丸い実がたわわに房となっている、「つるうめもどき」の生け花を紹介しました(写真-5)。年末に、生け花のほとんどは玄関に飾るリース作りに使い、1本の枝は玄関の花瓶に生けておいた。この1本は、3月になると若葉が出始め(写真-6)、花が咲き、生け花にしたときと同じ朱色の実をつけている。さらに、花瓶につけた枝の下端が膨らみ始め、やがて力強く根を伸ばしだしたのです(写真-7)。



今年は、厳しい残暑をのせいか、とくに秋の紅葉が待ち遠しく感じる。初めに引用した本によると、「秋」の語は実りの季節の「赤」からきたもの。「赤きとき」、 つまり草木が美しい赤色に色付く季節が「あき」なのです(注-1)。「つるうめもどき」の一本の枝が、花瓶の中で根を出した生命力の凄さに触れましたが、そろそろ、 この枝を小庭に植えてみようと考えています。そして、成長した「つるうめもどき」が、やがて鮮やかな「あかき」朱色の実をつけて、秋の訪れを知らせてくれる日がくることを想っています。

今市重道


(添付写真-1) : “レースフラワーの苗"
(添付写真-2) : “一面のレースフラワー" (添付写真-3) : “ レースフラワーの種”
(添付写真-4) : “ウイキョウの花"
(添付写真-5) : “ つるうめもどきの生け花"
(添付写真-6) : “ 芽吹いたつるうめもどき"
(添付写真-7) : “ つるうめもどきの根"


(注-1): 武光 誠、『日本人も知らない「やまとことば」の美しい語源』、
///河出書房新社、2018年5月
(注-2): 『植物データベース』、熊本大学薬学部薬草園  


以上






投稿(43) : 岡本 一男(2023年9月14日)


長いホームステイ パートXIX

長いホームステイから解放

但し今年の夏の暑さは”災害級”とも言われています。 放送などでも熱中症の被害を防ぐ呼びかけが続いていました。
そんな中ですが、和田秀樹先生お勧めの元気が出る「やりたいことリスト作成&実施」を続けたいとおもいます。

1: 家庭菜園に取り組む: 8月、9月の作業

毎日猛暑が続きますがゴーヤの緑のカーテンのおかげで暑い日差しを遮ってくれます。 緑のカーテンは遮光効果だけでなく、葉からの蒸散による冷却効果も加わるので涼しくなり建物の蓄熱も抑制できます。 猛暑で地面はカラカラに乾くので夏場は朝夕の水やりが日課でした。

緑のカーテン内側 この暑さでもゴーヤは元気で葉がびっしり茂っています。
② ゴーヤチャンプル ゴーヤ料理はいろいろありますがなんといってもゴーヤチャンプルが一番人気です。 写真は石垣空港内「ゆうなパーラー」のゴーヤチャンプルです。 ここは「チコチャンに𠮟られる」の司会者 岡村隆史さんお勧めのお店です。 ゴーヤチャンプルもとても美味しかったです!
③ 庭の野菜果物類
(a) 今年は沖縄アバシゴーヤーを植えました。 8月後半になっても沢山実をつけています。 (b) 京都 伏見とうがらしを花壇に植え実がなりました。 ものすごい辛さでした。
(c) 庭すみにイチジクも実をつけました。
④ 緑のカーテン 今年もゴーヤの緑のカーテンは生い茂った葉で暑さを遮ってくれています。 昨年より遅く植えたので残暑の間も緑を保ってくれるとおもいます。

2:映画館で映画を見る♪: 十戒 (The Ten Commandments )

大画面、大音響の劇場映画を楽しむ予定でしたが学校の夏休み期間中は見たい映画もなく今回は残念ですが「パス」しました。 もう一度見たい映画が NHK BSPでやっていました。 チャールトン・ヘストンとユル・ブリンナーの「十戒」です。 家のTVで見ました。
これは「旧約聖書」のエピソードの一つ「出エジプト記」を原作とした1956年アメリカ映画です。 伝説の預言者モーゼの波乱に満ちた生涯をヘブライ人(ユダヤ人)の紅海大移動や神の十の戒めが刻まれた「十戒」の石板エピソードなど壮大なスケールで描かれています。 
因みに、「旧約聖書」の「出エジプト記」の物語は、エジプト王パロの下で、ヘブライ人が奴隷として虐げられていたことから始まります。 神は、モーゼを呼び出し、ヘブライ人をエジプトから脱出させるように命じます。 モーゼは、パロにヘブライ人の解放を要求しますが、パロは拒否します。 神は、エジプトに10の災害を降らせ、パロを屈服させます。 最後の災害である紅海の奇跡によって、ヘブライ人はエジプトから脱出します。 モーゼは、神から十戒を受け、ヘブライ人はシナイ山で神と契約を結びます。

①海の奇跡
エジプト軍は紅海の手前までヘブライ人を追い詰めますが、モーゼが神に祈ると紅海が二つに割れる有名なシーンです。
②十戒の授与
その後モーゼは40日間シナイ山にこもり神から十戒を授かります。 因みに「十戒」とは
1.主が唯一の神であること 
2.偶像を作ってはならない 
3.神の名をみだりにとなえてはならない 
4.安息日を守ること 
5.父母を敬うこと 
6.殺人をしてはいけない 
7.姦淫をしてはいけない 
8.盗んではいけない 
9.隣人について偽証してはいけない 
10.隣人の家や財産をむさぼってはいけない ・・・以上です。
③荒野をさまよう
モーゼがシナイ山に籠っている間、かつての奴隷頭デーサンが民衆をそそのかし、金の子牛像を作ったり、快楽に溺れて堕落していきました。堕落した人々は神の業火に焼き尽くされ、割れた大地に落ちていきました。 神の怒りはその後も続き、ヘブライ人はその後40年に渡って荒野を彷徨うことになります。
④ カナンへの入植ルートは???
エジプト脱出で気になるのは
⒜ 十戒の授与があった「シナイ山」はどこにあるのか?
⒝ ヘブライ人をつれていく約束の地「カナン」とはどこなのか? 
⒞ モーゼ終焉の地「ネボ山」はどこにあるのか?等を知りたいです。 

約束の地「カナン」へのルートマップ "Exodus route" が見つかりましたよ!!  
⒜ シナイ山はシナイ半島中央部にあるムーサー山(標高2,285m)にあたるそうです。 
⒝ カナンとは古代の地名で今のイスラエルあたりのようです。 
⒞  モーゼが「約束の地」を見渡した後に死んだを考えられる「ネボ山」(標高817m)はヨルダン首都アンマンの南西約30kmにあるそうです。 今はモーゼ終焉の地「ネボ山」記念聖堂があるそうです。

3: ???(ハテナ) 

以前からAIについてはいろいろと話題になっていましたが今年になって「生成AI」とか「チャットGPT」とか聞きなれないものがテレビや新聞で取り上げるようになりました。それらは何だろう??? いま話題になっている「生成AI」等について探っていきたいと思います!

1)生成AIて何だろう?
「生成AI」とは人間の指示に基づき文章や画像を自動で生成する人工知能(AI)とのことだそうです。 2022年以降、簡単に使える高性能なサービスが次々と登場しました。 それらのサービスをまとめて「生成AI」と云っているようです。 「生成AI」には「チャットGPT」、「ビング」、「バード」等のサービスが含まれています。 ボストンコンサルティング グループは生成AIの市場規模が27年に1,210億ドル(約17兆円)に達する可能性ありと予測しています。 国内では ①NECが生成AIを提供、法人用売上500億円目標だそうです。 ②ソフトバンクは日本マイクロソフトと提携、国内企業むけに生成AIを販売するそうです。 高精度な文章や画像を生成する「生成AI」は誰でも簡単に使える反面、課題もあるようです。 間違った情報を拡散する危険性、生成画像やイラスト作成は著作権侵害の可能性、 情報漏洩等セキュリティー面でのリスクもあるようです。 まだ日が浅いのでこれから改善されていくものとおもいます。
2)Chat GPTて何だろう?
米サンフランシスコに拠点を置く新興企業”オープンAI”が2022年11月に公開したAIです。質問を投げかけるとその意味を的確に「理解」し、巧みに答えを返すようです。公開から2ヶ月で世界の利用者は1億人を超えたとされています。 ”オープンAI ” の CEO サム・アルトマン(Samuel H. Altman)氏は米国イリノイ州シカゴ出身でスタンフォード大で学んだ 38歳です。 ソフトバンク グループの孫 正義氏とは長年の友人だそうです。
2023年5月の時点では3種類の「チャットGPT」のサービスが提供されています。 ①オープンAIが提供、専用のウエブサイトから無償で使える「チャット GPT」 ②2023年2月有償サービスとして公開「チャットGPTプラス」 ③2023年3月 使った分だけ料金が発生「チャットGPT API」 尚、ユーザーと公共の安全性を保護するために「チャット GPT」を完全に禁止する国や、AIに関するポリシーを再考する国もでてきているようです。 イタリアでは一時期「チャットGPT」の利用が禁止されていました。 オープンAIのアプリケーションのバージョンアップによりこの問題が解決、現在は利用できるようになったそうです。
3)Bingて何だろう?
米マイクロソフトは5月に対話型の人工知能(AI)を搭載した検索エンジン「Bing(ビング)」の一般公開を始めたと発表しました。 対話型AI 「チャットGPT」の技術を取り入れたそうです。 「Bing」は「チャットGPT」同様大規模言語モデルを使っていますが最新のデーターに基づく検索に特化しているとのことです。
4)Bard て何だろう?
Bard(バード)は、Googleが開発・提供している会話型人工知能です。 PaLM2で構成されており、現在は試験運用版が一般公開されています。 2023年3月21日にアメリカ合衆国及びイギリスで提供が開始され、2023年5月10日に日本語と韓国語に新たに対応しています。 同日、Google , Workspace や Adobe との提携も発表しています。現在、全世界で一般公開され誰でも利用できるようになりました。 Googleに登録するとBardを利用出来ますので試しにやってみました。  
   Q (KO) 英国王室の祖先はヴァイキングですか?  
   A(Bard) はい、英国王室の祖先はヴァイキングです。 1066年にノルマンディー公ウイリアムが英国を征服し、ノルマン王朝が始まりました。 ウイリアムはノルマン人であり、その祖先はデンマークのヴァイキングの首領、ロロでした。 したがって、英国王室はノルマン人、そしてその祖先であるヴァイキングの血を引いています。 現在の英国王室の君主であるチャールズ皇太子は、ウイリアムの直系の子孫 です。 なお、英国王室の祖先は、ヴァイキング以外にも、サクソン人、アングロサクソン人、ケルト人など、さまざまな民族が混じっています。 以上が「Bard」の答えです。 質問に対しきちっと返答してくれています。 欲を言えば①”フランスノルマンディー公国のこと”及び②「ロロ」の”出身地は西ノルウエー”などの補足説明を加えてもらうと全体像が掴み易くなるのではともおもいます。 しかし、質問を送り、求める情報を要約し、5秒程度の短時間で答えが戻ってくるのがさすがGoogleですね! 生成AIに関することは新聞情報から拾ったものが大半です。 4年後には生成AIの市場が約17兆円に達する可能性ありとの予測がありますが、世の中どう変わっていくか楽しみですね!

気になる「???」は沢山ありますがまた何か探って見たいとおもいます。

以上です。  岡本一男





投稿(42) : 今市 重道(2023年8月24日)


ある外来種の野鳥の物語


初夏から立秋にかけて、明け方三時から四時ごろ、わが家の向かいにある市営グランドの樹木の茂みの方から、”ヒュー・ヒュー、ビュー・ビュー、ガガー、ジジー・・・"、と聞こえる野鳥のカン高い、 大きな声が毎日続いた。騒音のような、このうるさすぎる地鳴きでつい目が覚める。わが小庭にもあらわれる、この聞き慣れない声で鳴く野鳥は、外来種の「ガビチョウ」だ。かってペットとして飼われていたが、 その大きな鳴き声に飼い主が耐えられず籠から解き放った結果、野生化してしまった鳥(注-1、2)。「ガビチョウ(画眉鳥)」は、ヒヨドリほどの大きさで、褐色の羽毛と眼の周りの白い流涙模様の眉班が特徴(写真-1)。 「画眉」とは、“眉を画く"という意味(注-3)で、眉を白く塗ったような眉班の模様が名前の由来になっている。



「ガビチョウ」を初めて見たのは、今年の五月はじめのこと、家族で近くの自然公園をウオーキングしていたときだ。「小動物園」と「梅林」に挟まれた小道を歩いていると、今まで聞いたことがない甲高い騒々しい鳥の鳴き声がした。すぐそばで鳴いているようだが、「声はすれども姿は見えぬ」、まわりを見まわしても何処にいるのか分からなかった。そのとき、ふと小道のそばにある高さ5mほどの松の木の枝を見ると、からだの羽毛が褐色の幼鳥が止まっていた(写真-2)。そして、親鳥を探しているのか、一生懸命に鳴いている。 親鳥も近くにいるらしく、盛んに鳴いて幼鳥を呼んでいるようだ。 10秒ほどすると、幼鳥は親鳥のもとに飛んでいったのか、姿が見えなくなった。



自然公園で出会った野鳥は、はじめて見る種類だった。家に戻ると「日本の野鳥の図鑑(注-4)」を取り出し、スマホで撮った幼鳥の写真と図鑑にある野鳥の写真とを比較しながらこの野鳥の名前を調べた。 白い流涙模様の眉班と褐色の羽毛の特徴から、野鳥は外来種の「ガビチョウ」だと分かった。「ガビチョウ」とはどのような鳥か、調べた情報を列挙すると、
⚫︎ 本来、中国南部から東南アジア北部に分布する、
⚫︎ ‘70年代、飼い鳥として人気があったが、鳴き声の大きさから敬遠され屋外に放たれたらしい、
⚫︎ ’80年代に北九州で野生化が確認された、
⚫︎ ‘90年代以降に急速に分布が拡大して、神奈川、東京、山梨など関東でも増加している、
⚫ 「外来生物法」で定める、日本の生態系を乱す心配がある「特定外来生物」に指定されている、
⚫︎ ハワイでは、生息環境の優占種となって在来種衰退の一因となっている(注-1、2、5)。

既に、私の住む神奈川も「ガビチョウ」の分布域らしい。わが家の近くにも分布していることを示す資料が、 家族のウオーキングルートにあった。家から15分ほどの場所にボーイスカウト活動の場になっている小さな森があり、森の柵の前に「善部町特別緑地保全地区愛護会」の掲示板が立っている(写真-3)。 6月のある夏日のウオーキングのとき、その掲示板を何気なく覗くと、「善部の森で見かけた野鳥」のポスターが貼ってあった(写真-4)。アイウエオ順の31羽の野鳥の名前と写真の中に、 堂々と、あの「ガビチョウ」がありました。説明書きは、全長25cm、留鳥(外来種)。わが家の近くにまで、既に野生化した「ガビチョウ」が分布しているわけですから、 わが小庭にあらわれても不思議ではありません。やがて、メダカの睡蓮鉢を水場にしたり、ハナミズキの枝に止まって甲高い声で鳴いている姿を見るようになった(写真-5)。 人を怖がらないのか、私がスマホで写真撮影する動きをしても、なかなか逃げようとしません。わが小庭に初冬から春先にかけてやってくる、メジロ、シジュウカラたちの、 愛らしい姿やさえずりの声、行動とは、全く異なっている。



最近、わが小庭で二つの奇妙な出来事がおきた。一つは食害。袋掛けしたまだ熟していない巨峰の袋が破られ(写真-6)、果肉が食べられて青い皮だけが10個ほど地面に落ちていた。 まだ甘くないのに、地面に落として食べたようだ。確かこの頃、明け方に、ぶどうの木が植えてある裏庭あたりでも、私の眠りを妨げる野鳥の甲高い鳴き声がしていた。いまは、鳥避けネットを張って鳥害を防いでいる。 もう一つは蝕害。白樫の枝に掛けている、ランを植えてある「シュロのハンギング・プランター」の側面が大きくかじられ、真下にある「メダカ鉢」の水面と周りの地面に、 シュロの繊維が落ちていたのです。野鳥が巣作りの材料を集めているのだろうか。損傷箇所を、木香薔薇を伐採したときに剥ぎとり保存していた皮で補修しても、また、もっと大きくかじられた(写真-7)。 結局、新しいシュロの「うつわ」にとりかえたのです。昨年は、卵から育てていたこの「メダカ鉢」の二十匹ほどのメダカが、一夜で全て何者かに食べられる事件がありました。このメダカ事件の犯人は、地面に残された足跡と近所のメダカ繁殖家からのアライグマ被害情報から考えて、特定外来生物の「アライグマ」だったのでしょう。しかし、今回の二つの事件の犯人は、「アライグマ」ではなく、 最近わが小庭に突然あらわれ出した「ガビチョウ」のしわざだと思えるのです。


ここ10日ほど、米国ハワイ州マウイ島の山火事のニュースがTVで頻繁に放映されている。この山火事の拡大要因の一つとして、外来種の植物「ギニアキビ」が指摘されている。 その乾燥した枯草が広がる野原で、火が瞬く間に燃え広がった、と。一方、ハワイでは外来種の「ガビチョウ」による深刻な環境問題があります(注-2)。 今では、ハワイの生息環境の優占種となって在来種衰退の一因となっているとのこと。日本でも、「ガビチョウ」の分布域の拡大に伴い、在来種の野鳥衰退のリスクがあるはずです。

ついこの間まで、明け方の野鳥の甲高い異常な鳴き声には悩まされたが、不思議なことに、猛暑日が続くようになってからは聞こえてこなくなった。そして、わが小庭にも、あらわれなくなった。より涼しい場所に移動したのでしょうか。「ガビチョウ」による、わが家の安眠妨害、小庭のぶどうの食害、そしてプランターの蝕害があったが、視点を変えてみると、我々の住む地域の生態系、環境にダメージを与える外来種によるリスクが、すぐそこにあることを教えてくれた。「ガビチョウ」を含む外来種の分布域の拡大とその環境影響を抑制するための「アラート」を、行政が分かりやすく発出する必要があるのでは、と思いはじめている。

今市重道

(添付写真-1) : “ガビチョウ" 善部町特別緑地保全地区愛護会の野鳥ポスターの
写真
(添付写真-2) : “松の木の幼鳥"
(添付写真-3) : “ 森の掲示板"
(添付写真-4) : “野鳥のポスター"
(添付写真-5) : “ 睡蓮鉢のガビチョウ"
(添付写真-6) : “ 破られたぶどうの袋"
(添付写真-7) : “ かじられたシュロのうつわ"


(注-1) : 「野鳥の声を楽しもうNo31 」、日本野鳥の会埼玉、2021年
(注-2) : 「愛知県における主要外来種の現状」、愛知県環境自然課、2020年
(注-3): 「広辞苑」、岩波書店
(注-4): 永井真人/永井凱巳、「日本の野鳥420」、主婦の友社、2020年
(注-5): 「外来生物法」、環境省HP  


以上






投稿(41) : 岡本 一男(2023年8月11日)


長いホームステイ パートXVIII

長いホームステイから解放、 但し・・・

コロナ感染の状況ははっきりわかりませんが、今度は酷暑日が続き「不要不急の外出は避けて下さい」との注意が呼びかけられており、また国連のグテレス事務総長から「地球の沸騰が始まった」と警報もでております。 大変なことになっていますね!  そんな中ですが、和田秀樹先生お勧め元気が出る「やりたいことリスト作成&実施」を続けたいとおもいます。

1: 家庭菜園に取り組む: 7月、8月の作業(梅雨明け後)



① ブルーベリー
小さなブルべりーの木を2本庭の片隅に植えてありますが実をつけ始めました。そろそろ食べ頃かなと思っていましたが、何とムクドリに似た鳥にほとんど食べられてしまいました。  残念! ブルーベリー農園は網で入れなくしてあり鳥たちは餌探しで大変なのですね。。。

② カサブランカ
「ユリの女王」と称されるオリエンタル系のユリです。純白の大輪の花が一度に咲きました。

③ デラウェア
緑のカーテン端の1スパンのみですがデラウエアーを植えています。 虫がつきにくく栽培が楽だと云われていますが今年は虫がすごいです。 コガネムシに襲われ葉はレース状になってしまいました。  実を食べに鳥もくるので、あわてて防虫ネットで覆いました。

④ ゴーヤ
身近に出来るヒートアイランド対策として、今年もゴーヤを使った緑のカーテンを作っています。まだ隙間が沢山ありますが、徐々に埋まってくると思います。そろそろゴーヤの収穫も楽しめるようになりました。 今年は気温が高いせいもあり実はすぐにジャンボサイズになってしまいます。ゴーヤは酷暑が嬉しいのでしょうね。。。


2:映画館で映画を見る♪
猛暑続きですがこのところ軸足がゴルフに向き映画館から足が少し遠ざかりました。 しかしトム・クルーズの話題の作品は見ました。


① ミッション:インポッシブル /デットレコニング PART ONE
トム・クルーズ人気のスパイアクション「ミッション:インポッシブル」シリーズ第7作目の作品です。タイトルの「デットレコニング(Dead Reckoning)」 は「推定航法」の意味で、航行した経路や進んだ距離などから、過去や現在の位置を推定し、その位置情報をもとにして行う航法を指すそうです。 船舶、航空機等各分野で使われているようです。  珍しいところではアリが巣に戻るのにも同様の方法がみられるそうです。
今回のミッションは、全人類を脅かす新兵器を悪の手に渡る前に見つけ出すというものです。 トム・クルーズといえば命がけのスタントをこなすことで有名ですが、今作では何とノルウエーの山々に囲まれた断崖絶壁からバイクで空中にダイブするアクションシーンがありました。これにはびっくりです。 大きなスクリーンにどんどん吸い込まれていく見ごたえのある面白い映画でした。

② 予定: ミッション:インポッシブル /デットレコニング PART TWO
ミッション:インポッシブルは2部作です。 PART TWOが公開されたらぜひ続きも見たいとおもいます。


3: ???(ハテナ)
ハテナと思うことが沢山ありますが順番に調べていきたいと思います。

1) 英王室の祖先はヴァイキング? 続きです!
前回と同じ???ハテナですが、今回はアート等の世界から近づきたいと思います。「ロロ」についてはフランス ルアンの大聖堂から、子孫のウイリアム1世はバイユーのタペストリーから覗きたいとおもいます。


①ルーアン
フランス北部ノルマンディー地方の古都です。

②大聖堂
ルーアンには印象派のモネが描いた連作シリーズの一つとして有名な大聖堂があります。

③大聖堂に眠る「ロロ(ロベール1世)」
911年頃、北欧ヴァイキングの親分「ロロ」がこの地に移住しました。キリスト教への改宗を条件にフランス国王から領地をもらいます。洗礼名は「ロベール」でヴァイキング公国の創始者となり画家クロードモネもたびたび描いたこの大聖堂に眠っています。

④ フランスのバイユータペストリー
それからおよそ120年後、「ロロ」の子孫「ノルマンディー公ギヨーム2世」は大航海時代に世界を制した大英帝国王室の開祖となります。 その物語を伝える「タペストリー」です。 これは、11世紀のフランスと英国に関わる歴史的遺物で、2007年に「ユネスコ世界記憶遺産に登録されました。タペストリーと云われていますが、実際は織物ではなく布に刺繍を行って物語を描いた貴重な資料でもあります。 近代の戦火で所在が転々と変わりました(武器箱の覆い⇒ナポレオン⇒ドイツ軍⇒ルーヴル美術館⇒バイユー)。 現在ではフランスのバイユー・タペストリー美術館で保管・展示されています。 作品は短辺50cm,長辺は約70mだそうです。 

⑤ドーバ海峡を渡り英国へ攻め込む
1066年「ロロ」の子孫「ギヨーム2世」がドーバ海峡を渡り英国へ攻め込みました。

⑥ハロルド2世の戦死
英国南部 ヘイスティングスの戦いで当時の英国王ハロルド2世を打ち負かします。

⑦英国王となったギョーム2世(後のウイリアム1世)
「ギヨーム2世」は英国王として即位、「ウイリアム1世」となり現在の英国王室の始まりとなりました。 以上がアートの世界から覗いた歴史物語です。
北欧のヴァイキングの親分「ロロ」がフランスに渡りノルマンディー地方の領主「ロベール1世」となる。それから120年後、子孫が英国に攻め込み、 英王室の始祖「ウイリアム1世」となる...こんな歴史があったのですね。。。

2) ルーアン大聖堂 及び バイユータペストリーへのアクセスは?
旅行会社に聞けば詳しく教えてもらえるとおもいますが、 歴史をひも解く重要な場所へのアクセスは次の通りです。


①ルーアン大聖堂
パリ北西部にある サン・ラザール駅からCORAIL INTERCITES(コライユ・アンテルシテ)に乗りルーアン・りヴ・ドロワ駅で降ります。 所要時間は約1時間。 駅を出たら、ジャンヌ・ダルク通りを歩きます。 左側に地方裁判所が見えたら、その先2つ目・オルロージュ通りを左折。 大時計台を潜り歩いて行くと、突き当りがルーアン大聖堂西側広場だそうです。 

②バイユータペストリー
パリ サン・ラザール駅から鉄道でバイユー駅下車。 所要時間は約2時間半。 バイユータペストリー美術館は駅から1Km,  徒歩約10分です。なお、美術館には12か国のオーディオガイドがあり英語、日本語もあるようです。 歴史好き必見の場所たど思います。 気になる「???」は沢山ありますがまた何か探って見たいとおもいます。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・以上です。    岡本一男





投稿(40) : 今市 重道(2023年7月24日)


夏の自然がつくる「かげ」の恵み


七夕の夜空があけた土曜日、家族で鎌倉に出かけた。鶴岡八幡宮の境内で開かれる「鎌倉骨董市」巡りが目的だ。薄曇りの真夏日、鶴岡八幡宮入り口の朱色の「三の鳥居」をくぐると、「七夕まつり」の最中。 遠くに本宮を見上げる太鼓橋の両側に、高さ10mほどの「竹で組んだ枠」が立てられていた。その竹枠の天端に、大きな、鮮やかな、七夕飾りの「五色の吹き流し」が掲げられ、ゆったりと風にのって流れていた(写真-1)。

鶴岡八幡宮の七夕吹き流し

骨董市は、社務所前の路上で開かれている。昨年の骨董市では、『SOCONY石油』の文字と虎模様のある稀有な「はっぴ」とイタリア製の「Mobil Pegasusのつり飾り」があり、ついつい夢中になった。 今回もMobilに関連する物があるのではないかと、なかば期待していたが、見あたらず出端をくじかれた。妻たちも気に入った出品がなかったようだ。 不思議なことに、骨董市に通う回数が増えるほど、Mobilに由来する出品がなくなってゆく気がする。骨董市の帰りに「源平池」に寄った。水面に紅色と白色の「蓮の花」が穏やかに咲き、 微かにゆれる様子を見ていると心が和みます(写真-2)。

源平池の蓮の花

八幡宮を後にすると、すでに正午が過ぎていた。強烈な日差しをあびながらの散策は、さすがに辛い。ランチ休憩する場所を探して歩き、江ノ電鎌倉駅の近くに落ち着いた雰囲気の小さなレストランを見つけた。ゆったりとランチを味わい、 避暑と休憩をとり、鎌倉駅に戻った。横須賀線とバスを乗り継いで、家の最寄駅で降りた。駅前から続く遊歩道がある。少しだるさを覚えながら、ゆっくりと歩き、 我が家に向かった。朝に比べて日差しが強くなり、さらに湿度が高いのか蒸し暑く、汗が止まらない。炎暑の中で歩くときは、できるだけ建物の日陰や木陰を選んで歩く。  銀杏や桜などの並木の遊歩道を歩いていると、木陰に入った瞬間、建物の日陰よりはるかに涼しさを感じる。樹木が日差しを遮ると同時に、 さらに、葉から樹木の水分が水蒸気となって発散する「蒸散の効果」で周囲の温度を下げてくれるからだ(注-1)。夏に自然がつくる樹木の「陰」の恵み。

翌週の月曜日からの三日間は、真夏の晴天が続く予報。一ヵ月ほど前に樽に塩漬けした梅の三日三晩の天日干し作業のチャンス。毎年、和歌山県産の大粒の「南高梅」を漬けていたが、 今年は和歌山県産の小粒の梅2Kgを使ってみた(写真-3、4)。小粒の梅干しのほうが食べやすいと考え、初めての挑戦だ。三日とも炎暑の晴天が続き、小粒の梅干しが上手くでき上がった(写真-5)。ただ、ちょっと、 量が少ない感じがする。今年の経験を活かして、来年は小粒梅を二倍に増やして仕込みたいと考えている。

小梅の塩漬け 日干し前の小梅漬け 天日干し三日目

小粒の梅干しができ上がった日も、炎暑だった。帽子をかぶって梅干しを保存瓶に移しているとき、ふと視線を上げた。すると、ウッドデッキの日よけのサンシェードに「ツルハナナス」の自然のシルエットが、 綺麗に、鮮やかに映っていたのです(写真-6、7、8)。明治時代の自然風景のモノクロ写真のようであり(注-2)、炎暑であることを視覚的に一瞬忘れさせてくれる気がする。日よけのための「緑のカーテン」として植えている 「ツルハナナス」は、南米ブラジル原産のツル性の常緑の花(注-3)。酷暑にも、寒波にも耐える丈夫な花で、つるの成長がものすごく早い。日差しが強いほど、「ツルハナナス」の影が濃く、アートな絵になることに驚嘆している。 夏に自然がつくる植物の「影」の恵み。

ツルハナナスと影絵 ツルハナナスの
シルエット
ツルハナナスの
緑のカーテン

「猛暑日」という気象用語が2007年からあらたに導入(注-4)されたほど、夏の気温上昇が進んでいるのでしょうか。私たち団塊の世代、給食で牛乳の味がしない脱脂粉乳をアルミカップで飲んでいた小学生ころも、やはり夏は暑かった。しかし、「熱中症」という言葉はなく、家に冷蔵庫もクーラーも無かったが、「涼しいと感じた夏の日」があったことを思い出します。兵庫県伊丹にいた小学三年の頃の夏休み、母が水道水で冷やしたキュウリに塩をかけて、庭にいた私と友達に食べさせてくれたこと、そして、「冷たくて、美味い」と感じた。先ほど、梅雨明け宣言を伝えるニュースが流れた。ますます猛暑の日が増えて、居間でクーラーを効かせて涼しく過ごす時間が長くなるでしょう。そんなとき、窓のカーテンを少しあけて、外の「ツルハナナス」を一瞬ながめ、夏の自然がつくる「陰」と「影」との恵みがあることに感謝するでしょう。


今市重道

(添付写真-1) : “鶴岡八幡宮の七夕吹き流し」
(添付写真-2) : “源平池の蓮の花"
(添付写真-3) : “ 小梅の塩漬け"
(添付写真-4) : “日干し前の小梅漬け"
(添付写真-5) : “ 天日干し三日目"
(添付写真-6) : “ ツルハナナスと影絵”
(添付写真-7) : “ ツルハナナスのシルエット”
(添付写真-8) : “ ツルハナナスの緑のカーテン"


(注-1) : 「広辞苑」、岩波書店
(注-2) : 中村啓信、「明治時代カラー写真の巨人−日下部金兵衛」、国書刊行会、2006年
(注-3): 「趣味の園芸- 植物図鑑」、NHK出版
(注-4) : 森川洋昭、「単位、役にたつおもしろ事典」、河出書房新社、2015年  


以上