改元の年



改元の年

 

二日、帝京大はラグビー大学選手権準決勝の対天理大戦でワントライに抑えられ良いところなく敗退し十連覇の機会を逸した。同じ日、箱根駅伝では東海大が綜合で初優勝して青山学院大の五連覇が潰えた。ほぼ間違いないといわれていたこれらの連覇が新年早々立て続けに消滅して、やはり改元の今年は「例年通り」がいつも通りにはゆかない年のように思われた。平成の終わる年は連覇の止まる年になるのか。 

 縁起でもないこと言わんといてと囲碁の井山裕太五冠ファンから苦情が出そうなことを言ってしまったか。今月10〜11日に第一局、21〜22日に第二局が打たれた棋聖戦は一勝一敗で互角の進行である。六連覇中の井山の運命や如何にというところだ。同様に、将棋の藤井聡太七段も複数の棋戦で連勝中だから応援席は気にしなければならない。

 プロ野球セリーグでは広島カープがこのところ三年連続でリーグを制しており、一方日本シリーズではソフトバンクが二連覇している。両チームのファンがどんな顔をしてこの秋を迎えるか大いに楽しみだ。

 いま人気のテニスやサッカーは幸いこれから連覇の基礎をつくっていこうという段階にあるので、当面はひたすら頑張れと応援するしかない。幸い大坂なおみ選手がその第一歩を踏み出してくれたことに日本中が湧いている。ここは「改元の年」の趣旨に背いて連覇をしてよと前後の見境なく願う身勝手をお許し願いたい。

 連覇の停止ばかりでなく、永らく変わっていないことやまったく動かなかったことが、変わったり動き出したりすることが起こる年ともいえる。北の方でも、或いは南の方でも改元の年は四方八方気になることが多発する忙しい年になりそうだ。この辺、言いたいことは山ほどあるが、それはまた別の機会に。

 
 

                           平成31年1月27日 佐々木 康雄記